日本酒の製造工程
酒造りの中で重要な工程は一麹
、二酛
、三造り
と表現されます。最初に良い麹
をつくり、蒸した米と水に麹と酵母を加え培養し日本酒発酵の元になる酛
(酒母
)をつくります。酛の量を徐々に増やし日本酒の原型となる醪
を仕込んでいく工程を造り
と呼びます。

一麹
麹づくりは原料工程と製麹工程に分けられます。
原料工程
精米
精米機を使用して玄米から表皮や糠
を取り除き白米にします。
枯らし
精米したばかりの白米は摩擦により熱を帯びており米の中の水分にムラがある状態となります。そこで白米を落ち着かせ水分を均一化させるため冷暗所に2~3週間保管します。
洗米
枯らしを終えた白米の表面に残っている糠や米くずを洗い流します。洗米は洗米機または手作業で行い、洗米すると米が1~2%摩耗し水分も吸収するため、吸水率が品質に影響する吟醸系の仕込みの際には細心の注意が必要となる工程です。
浸漬
洗米した白米を水温10~15℃の水に浸し米に水を吸わせます。この工程は米を蒸すために必要な水分を米に吸収させることが目的で、水温が低いほど吸水を遅らせることができます。浸漬はその日の天候・気温・湿度に影響することから、熟練の蔵人がストップウオッチを使用して秒単位でコントロールします。
水切り
浸漬後に米粒の表面についた水分を除去します。
蒸し
水切り後の米を蒸します。一般米のように米を水に浸して炊くのではなく、甑
や蒸米機
を使用し蒸気で蒸し上げます。
放冷
蒸米
を自然の冷気や放冷機
にて適温まで冷まします。
製麹
工程
日本酒を造るために最も重要な工程である製麹は、麹室
と呼ばれる温度約32~38℃、湿度約60~70%に保たれた専用の部屋に蒸米を広げ、その上から種麹
をゆっくりと振りかけることから始まります。
引き込み
蒸米を麹室で広げ2~3時間放置することで均一で適切な温度にします。
種切り
・床もみ
麹菌をしっかりと繁殖させるため、床に積み上げられた蒸米を崩しながら床一面に広げて、蒸米に麹菌の胞子である種麹を万遍なく振りかけ、均一になるよう揉み混ぜ合わせます。
切り返し
床もみ作業後、約10~12時間経過すると蒸米の表面が乾き、米の粒同士がくっついてかなり硬い状態になります。硬くなった蒸米の塊をほぐしよく揉み合わせ、麹菌に酸素を供給するとともに温度・水分を均一にします。
盛り
蒸米を一定量ずつ分けて温度調節がしやすいようにします。
仲仕事
盛り作業から約7~9時間後に蒸米の温度が上がりすぎないよう蒸米全体をよくかき混ぜます。
仕舞仕事
仲仕事作業から約6~7時間後に麹の品温を調節し余分な水分をとばすために蒸米を広げ表面積を広げます。
出麹
麹が理想の状態に仕上がったら、それ以上の麹菌の繁殖を防ぐため麹を麹室から出して冷まします。
いかがでしたでしょうか?麹づくりは重要な工程であるがゆえに蔵人にとっても重労働です。私たちが美味しい日本酒を飲めるのは全国の蔵元のたゆまぬ努力の結晶ですね。
次回予告
次回は二酛について掘り下げていきます。